ひみつの庭の物語 第3話
「とても大切な仕事」
かれらはまず、いくつもの鍋にお湯を沸かすと、
それぞれの鍋に、集めた木の実や葉や花を入れてかきまぜ、
たくさんの色水をつくります。
思いがけないきれいな色が現れたり、
枯草色になってしまったり、みんなで一喜一憂。
まるで見習い魔女の実験室のようです。
次に、こちらも集めておいた紙くずやリボン、
端切れなどを縫い合わせて花や葉をつくります。
それらに思い思いの色をつけたら、いよいよ飾り付けです。
庭の枯れ枝やツタに絡ませたり、枯れ草に結んでみたり、
割れた木の実の殻の中にも飾りました。
すると色をなくした庭が、
春が来たみたいにぱっと明るくなりました。
庭のすみで寒くて長い冬を過ごすには、
こんな工夫がとても大切なのです。
( つづく)