ひみつの庭の物語 第2話
「ほんとうの冬の訪れ」
あくる朝、あたりはしんと静まりかえっています。
かれらは冬籠りのために作ったちいさな切り株の家で、
じっと耳をすませていました。
「いよいよやってくるね。」誰かが言いました。
そこへ、大きなうなり声のような音を立てながら、
あの風がやってきました。
庭の真ん中で渦を巻くと、色とりどりの落ち葉や、
庭に落ちているあらゆるものを巻き上げて、
あっという間に通り過ぎて行きました。
風が去った庭はいちめん色を失くし、
空気はいちだんと冷たくなっていました。
本格的な冬がやってきたのです。
さあ、冬仕事の始まりです。
( つづく)